Purity of essence

文芸全般、主に映画と書評です

反脆弱性

ベーシックインカムはセーフワード

ブルシットジョブによると、ベーシックインカムは上司に「辞めてやる!」という権利を労働者に与えるという。 これはまさにファックユーマネーと同じではないか。(厳密にはファックユーインカムだが) 著者のデヴィッド・グレーバーがこのワードを知ってい…

投資家という存在が許される理由

ある日、とある投資家Aが1時間で10万円を稼ぎ、悠々と昼食をとっていた 一方、あるコンビニ店員Bは給与明細に書かれた1か月分の賃金10万円を苦々しい気持ちで眺めてから時計を見た。10時間後に勤務が始まる。 これだけ見れば何とも不公平な話だ。 しかしこう…

果ての国か、月並みの国か、ヒューリスティックな見分け方

月並みの国は極端なことが基本的に起きない正規分布の世界 果ての国は極端なことがまれに起きるべき分布の世界 この二つを大雑把に見分ける方法を考えた 自分の10倍の存在を想像してみること 想像できなければそれは月並みの国 想像できればそれは果ての国 …

オプション性について

オプションとは一般人には馴染みがない概念だが、要するに選択肢があるということだと思えばいい。 オプション性こそがブラックスワンに備える最良の手段であり、オプションがない状態が脆い、とナシームタレブは書いている。 選択肢のない状態がなぜ脆いか…

反脆弱な生き方

タレブによると、反脆弱な人生とは膨大な蔵書のある、節度のある遊び人ということらしい。これにぴったりな日本語は高等遊民だろう。 そして逆の脆弱な生き方とは観光客となっている。 これは若干抽象的過ぎるので、個人的にはガイド付き観光ツアーのような…

脆弱国家日本

思えば日本の抱える負債は 30年前のバブルの不良債権だったり 20年前の就職氷河期への対応策だったり 9年前の原発事故の後始末だったりする いまだにリーマンショックの後を引きずる企業も多い 中韓との軋轢も源泉は80年前である ようするに日本は問題を先送…

反脆弱性――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方 バーベル戦略

ブラックスワンよりも倍くらい分厚いが、著者と訳者がこなれたのか、だいぶ読みやすダッシュボードhttps://blog.hatena.ne.jp/くなっていた。とはいっても過剰ともいえるほどの皮肉たっぷりな論調は相変わらずだが ナシーム・タレブはリーマンショックを予想…