第2章中心性について
フレンドシップパラドクスは次数中心性が原因。
グーグル検索のページランクのような、だれを知っているか(固有ベクトル中心性)
影響力を行使する範囲(拡散中心性)の3つ
次数中心性は直接的な影響、固有ベクトル中心性は隣接ノードの次数を捕捉し、拡散中心性は情報を広める、受け取る尺度となる。
メディチ家は貴族間ネットワークの媒介中心性が極めて高い位置にいた。
第三章拡散と影響力
平均次数により、巨大ノードが誕生するかどうかという相転移が起こるかが決まる、基本再生産数が1以下なら巨大ノードは発生せず、伝搬しない。このあたりはパーコレーションの話っぽい
ワクチンは全員に打つ必要はない。基本再生産数を1以下に抑える程度に打てばいい。
当人が感染しないように打つのではなく、影響を断つために打つのだ。
灯台は外部性の実にいい例、あらゆる要素で外部性は働くが、同時に悪影響も及ぼす。
フェイスブック等のつながりは完全グラフの1%以下である。たったこれだけでもスモールワールド現象は起き、巨大ノードが発生するには十分である。
スペイン風邪はWW1の直後で栄養や物資の観点から人々は弱っており、部隊の移動という大規模な移動行為が伴っていたため広範囲に広がることになった。
感染を広めるのは巨大ノードそのものであって、その構成員の次数が高い存在ではない。巨大ノードがある限り伝搬は続くだろう。しかし次数が高い人間は伝搬の中心になりやすいことには変わらない。
伝染病などはコネクトを切断するようにネットワークは動くが、それとは逆に面白いうわさなどはノード密度をつなげるように動く。ネットワークによってダイナミックに変化する
第4章つながりすぎてつぶせない金融ネットワーク
金融ネットワークはインフルエンザのように伝搬するものは1種類ではないこと、つながればつながるほど信用度はむしろ増すこと、という点が異なる。
金融危機の伝搬で最も被害が大きいのは、間接的にしかつながっていない企業がある程度にネットワークが密で、しかしほとんどの組織がほとんどのビジネスをごく少数の取引相手だけと行う程度に接続が少ない、という微妙な状態である。金融危機の連鎖ネットワークの変則性は接触していなくても影響を受けるということ、これはケインズのいう美人投票の問題と一緒である。さらに影響力は均一ではなく、自分以外も注意を向けているだろうと多くの人が思っている人の影響が甚大である。
外部性は自己利益と社会利益の不一致とも言える。らしい。
金融市場は外部性や規模の経済が大きすぎて見えざる手の影響は及ばない。
銀行は巨大化しつつ、数は減っている。取引企業も巨大銀行と取引したがるからますます巨大になる。取引を少数の銀行に絞れば優良顧客としての地位も獲得できる。こうして巨大化した銀行が自身のリスキーな投資で失敗すれば、金融危機の起点になりかねない。また取引企業が少数になればなるほど、自身をネットワーク上の影響を受けやすい位置に置いてしまう。
EU諸国は国債をお互いに持ち合わせているため、金融危機の連鎖を招きかねない。ギリシャ危機はそのいい例であった。
金融危機はおおざっぱにわけるとドミノのように連鎖していくものと、ポップコーンのようにここが弾けていく2種類がある。どちらも同時に起きることもある。
最後に金融市場は計器のないジェット機のようなものだと表現している